白髪染めをすると、「どうすれば白髪染めの効果を長持ちできるの?」と悩む方も多いと思います。
少しでも白髪染めまでのスパンが長くなるように、白髪染めがどうやったら長持ちできるかについて長年白髪と付き合い続けてきた現役美容師がお教えします。
少しでも白髪染めに対する億劫な気持ちが和らげば幸いです。
白髪染めってどうやって染まっているの?
知らない方も多いと思いますので、白髪染めの原理について説明いたします。
聞いたことがあるかたもいるでしょうが、市販の白髪染めと美容室での白髪染めでは何が違うかご存じでしょうか?
カラーというのは、薬剤が髪の毛に触れた時に、薬剤と空気が反応することからはじまります。
薬剤の反応が始まると、髪の毛の表面にあるキューティクルが開き薬剤が浸透して、発色に繋がります。
キューティクルが開くことがポイントであり、薬剤が髪の毛に入り込む入口となっていますので、これができないと髪は染まりません。
市販のカラー剤でも美容室のカラー剤でも、この原理自体は同じです。
ただこのキューティクルを開いて薬剤を浸透させる部分に、市販と美容室の大きな違いが出てきます。
さらにその違いに拍車をかけるのがカラー剤の塗り方にもあります。
薬剤の違い、塗り方共に比較してご紹介します。
美容室で白髪染めをする場合
美容室で染める際には、まずは毛髪診断をします。
何度通っている美容室であろうと、まずは髪の状態を確認してから薬剤を作るのが鉄則です。
日焼けやアイロン熱などの髪のダメージレベルをよく観察し、カラー剤の力の強さを調節します。
美容室で染める方が傷みにくい、とよく言われるのはここの過程にあります。
カラーの力(キューティクルを開き薬剤を浸透させる力)が、100%の力加減にしなくては染まらない硬毛や健康毛の方もいれば、80%の力でも綺麗に染まる軟毛や細毛の方もいます。
もちろんダメージが重なっている髪の毛に対して、100%の力で染めてしまうとより負担になり千切れてしまいかねません。
そんな方には優しめの力で、なるべく髪に負担をかけずに染めることができます。
さらに塗り方にもこだわりを持てるのが美容室でのカラーのメリットです。
生え際や分け目など、白髪の密集しやすい場所を染めるには、いかに薬剤の塗布量をムラなく染めれるかはとても重要です。
薬剤ののる量が少なかったり、根元まできっちりとのせれていないとしっかりと薬剤は浸透してくれず、染めあがりに影響が出てきます。
ここは美容師の腕が試される場面でもありますが、美容室で染める意義はここに大きくあります。
市販で染める場合
市販の薬剤の特徴は、良くも悪くも「誰でも染めることができる」ことです。
100%の力が必要な人であろうと、80%の力が必要な人であろうと同じように染めるためには100%以上の力が必要になります。
そのため、市販の薬剤では顧客側の髪質がどの程度であっても染めることができるよう、力加減は強めに設定されています。
なので髪に負担がかかりやすい人や、ダメージがある人ほど市販の薬剤で染めると傷んだような印象になりやすいのです。
強ければ強い薬剤であるほど、キューティクルをこじ開ける力が強いようなイメージです。
そして塗り方としてはムラになりやすいのが市販の薬剤の特徴です。
基本的にセルフカラーであれば、後頭部や襟足などは染めづらくなってしまいます。
しっかりと薬剤が塗布できているか確認もしにくいためムラのある仕上がりになってしまいやすいです。
また、形状が柔らかめだったり泡タイプだったりするのでしっかりと白髪を薬剤で包み込むイメージで塗るのが難しくなってしまいます。
根元までしっかりと行き届いていなかったり、内側がスカスカだったりしてしまうので均一なきれいな仕上がりを目指すのが難しくなってしまいます。
自宅で染める場合は、家族や他の人に手伝ってもらうなどすると染め残しなどは起きにくくなると思います。
ぜひ頑張ってみて下さい。
白髪染めを長持ちさせるならまず何をしたらいい?
白髪染めをした以上はぜひ長持ちしてほしいですよね!
少しでもきれいな状態が長持ちするためのケアの仕方をお教えします。
キューティクルを開き薬剤を浸透させ、発色するのがカラーの原理です。
このキューティクルが開きっぱなしだと髪はどうなってしまうでしょうか?
これはカラー剤を浸透させる入り口が開きっぱなしと同じことです。
なので薬剤が出ていってしまう出口も開きっぱなしということです!
出口が開きっぱなしだと、
・薬剤
・水分
・栄養
が抜け出てしまいます。
色落ちと同時に髪がパサついてしまったり、キンキン褪せてしまうように見えるのはこのためです。
色と同時に必要な水分や栄養まで一緒に抜けてしまっていたのです。
これを防ぐためには、カラーをした当日のケアとお家での継続的なケアが必要不可欠となります。
しっかりキューティクルを閉じてくれるケアの仕方をお教えします。
サロンケア
ぜひ、しっかりとしたトリートメントの施術を美容室でしてもらってください。
美容室でのトリートメントは、自宅でやるのとは大きく違います。
ダメージの大小に合わせ使うトリートメント材を変えたり、水分量を調節したりなどその人に合ったトリートメントを処方し浸透させていきます。
自宅でやるものに比べ過程が多いものや、もはや薬剤に近いものまで多岐に渡るのでぜひ髪質に合ったものをしてもらってください。
キューティクルを閉じるという目的だけではなく、同時に水分や足りない栄養まで補給できるので、艶やまとまりも大幅にアップするでしょう。
ホームケアに比べてサロンケアの方がお値段や時間も要してしまいますが、カラーした当日だからこそのケアはカラーの持ちにだいぶ影響します。
持ちが悪いな、カラーすると傷むな、と感じている方は、もしかしたらキューティクルが傷つきやすい髪質なのかもしれません。
ぜひ一度美容室で相談してみてください。
ホームケア
もしサロンのケアでカラー当日にしっかりトリートメントできたとしても、日々の紫外線や熱ダメージなどは着実に蓄積され、また髪を傷つけてしまいます。
そのため、日頃のケアも長持ちさせるためには重要になってきます。
お家でできるおすすめケア
ケア性の高いシャンプー
最近のシャンプーは、市販のものでもケアする力が高いシャンプーが増えています。
保湿成分やケラチンといった栄養素が含まれるシャンプーは、洗うだけで指通りや艶が良くなるため、お家で特別なケアをするのが面倒な方などはとてもいい方法だと思います。
ヘアパック、スペシャルトリートメント
自宅でするトリートメントは通常、リンスのように毎日使いをするものが多いと思いますが、週に一回から二回程度定期的に使う、ヘアパックもおすすめです。
毎日使いする通常のリンスやトリートメントに比べ、栄養価が高くなっているものが多いです。
毛先を中心にしっかり揉み込み、数分置くとより浸透してくれるので全体カラーした時などは特に色を長持ちさせてくれるでしょう。
美容室で購入する場合は髪質に合わせて選ぶとより良いですし、最近ではドラッグストアでも安価に手に入るものが多いです。
毎日のトリートメントだと色持ちが心配な方、毛先だけ色落ちが早い方などは、ぜひチャレンジしてみるといいと思います。
ホームケア番外編
お家でのケアで色を長持ちさせるために、カラーシャンプーやカラートリートメントを使う方が最近増えてきています。
これはシャンプーやトリートメント自体に微量の染料が含まれているため、お家で毎日使うたびに少しずつ色を足していくようなイメージです。
一気に色落ちしてしまうのを防ぐ効果や、キンキン褪せるような状態になるのを遅らせてくれる効果があります。
毎日使いできるものから、週に1.2回の使用でいいものもあるため、お好みでぜひ選んでみてください。
ただ、次に染める1週間前程度からは使用を控えた方がいいとするものもありますのでご注意ください。
白髪染めを長持ちさせる方法まとめ
ここまで読んでみて、違いはわかってもらえたでしょうか?
この記事では美容室で染める方が長持ちしやすいという意味も含めて書いていますが、美容室で染めるのも、市販で自宅で染めるのもどちらにもメリットはあります。
うまく使い分けながら、長持ちできるようにケアをしながらやっていけたらいいのではないでしょうか。
白髪とは長いお付き合いになるはずです。
あまりストレスになりすぎないよう考えてもらえたら幸いです。